全国には多くの「そろばん教室」があり、教室ごとの指導方法や教育理念はさまざまです。
珠算検定や暗算検定の合格重視の教室、大会に積極的な教室(一切出ない教室もあります)、AIや特許技術を取り入れたアプリ教材で学ぶ教室、教材を独自開発している教室、オンラインのライブ授業を取り入れている教室、本当に挙げていくとキリがないほど教室ごとに特色があります。
一概にどの指導方針が「正解」とは言えず、重要なことは生徒の目的達成に向けて能力を最大限に引き伸ばすことができる教室が、「あなたにとって良い教室」と言えます。
この記事では、あなたにとって理想の「そろばん教室の選び方」について詳しくご紹介します。よくある失敗例や絶対に避けるべきそろばん教室の注意点もあるので、あわせてチェックしてくださいね。
- 何を基準にそろばん教室を選べば良いか分からない
- そろばん選びに失敗したくない
- オンラインのそろばん教室も気になっている
そろばん教室の選び方(3ステップ)
3ステップで選ぶ「そろばん教室」
- 公式サイトや資料請求で情報収集
- 無料体験を受ける
- 他校との比較検討
【注意】オンラインのそろばん教室やアプリ教材も検討に入れること
<Step1> 公式サイトや資料請求で情報収集
- 授業の受けやすさ(授業枠、振替制度)
- 授業スタイル(リアル授業、オンライン授業、録画授業の視聴、アプリ教材)
- 暗算検定も重要視している
- 珠算競技大会の参加に積極的
- 教材に独自性や創意工夫がある
- 費用が妥当(入会費、月謝、その他)
- 無料体験できるか
全てのそろばん教室を無料体験するのは理想的ですが、現実的ではありません。
そこで、公式サイトや資料請求から得られる情報は事前に精査し、無料体験するそろばん教室の候補を3〜5校ぐらいに絞り込みましょう。
<Step2> 無料体験を受ける
- 教育理念(何を重視しているのか)
- 講師(子供との相性、段位、指導方法や情熱)
- 生徒に段位取得者が在籍している
- サポート体制
- 継続のしやすさ
無料体験では、公式サイトでは分からない5つの項目に絞ってチェックしましょう。
講師との相性や教え方についてチェックするのは基本ですが、何を重視したそろばん教室なのかは改めて講師の口から確認することも大切です。
検定合格に力を入れている教室だったり、礼儀を重んじる教室、目標を自分で決めて学習計画を立てさせる教室、褒めて伸ばす教室など方針は様々です。
入学後に「なんか違う!」とならないためにも直接お話をうかがう方が良いでしょう。
講師から保護者に対してきっちりと説明ができる教室は、教育理念・指導方法がまとまっている証拠です。逆に回答があやふやな場合は教室として理念があったとしても講師が理解できていないため、講師によって違いが出てくる可能性が高く、注意が必要です。
<Step3> 他校との比較検討
無料体験後は比較検討シートに記入します。人の記憶はどんどん薄れていくものですから、その日のうちに教室の印象を書き留めておくことが大切です。
全ての無料体験を終えた後、親子で比較検討シートで振り返りながら話し合い、ぴったりのそろばん教室を選んでください。
そろばん選びの注意点
教室まで足を運んで先生の授業を受ける昔ながらの「通塾」タイプのそろばん教室に通うことを決めていたとしても、「オンラインのそろばん教室」と最新技術を活用した「そろばん式暗算アプリ」も、無料体験してみてください。
これからの時代はオンライン学習が増えていきますので、オンラインのそろばん教室の無料体験をきっかけに、『オンライン学習ってこういう感じなんだ』ということが知れる良い経験になります。
無料体験の結果、オンラインやタブレット教材でそろばん学習に取り組めそうであれば、通塾タイプよりも多くのメリットがあります。『オンラインなんて無理、無理!』と決めつけないで、気軽に試してみる価値は大いにあります。
私のおすすめ
オンラインそろばん教室やタブレット教材まで比較検討している時間は無いよ!という方は、総合評価で高評価のよみかきそろばんくらぶ と そろタッチ をおすすめします。
無料体験後のひつこい営業もないので『どんな感じかな?』という気軽な気持ちで無料体験に参加してみてください。
ここまでで、「そろばん教室の選び方」ついて大まかな流れを理解できたのではないでしょうか?
ここからは、各チェックポイントを1つ1つ掘り下げて、良いそろばん教室を見極めるポイントを解説していきたいと思います。
事前の情報収集でチェックできるポイント
① 授業の受けやすさ
小学生の習い事と言えば、そろばん、水泳、英会話、ピアノ、書道、サッカー、ダンス、学習塾などが王道です。
最初は1つだけだった習い事も、子供の成長とともに増えていくものです。子供に様々な経験をさせてあげたい反面、日程調整の手間は結構大変です。
習い事全般に言えることですが、授業を受けられる時間帯や曜日が多ければ多いほど、他の習い事との調整も都合がつきやすく、「1つ習い事を増やすなら1つ習い事を辞めなければいけない」といった選択をせずに済むため、授業の受けやすさは習い事選びの重要なポイントの1つなのです。
授業回数
そろばん教室では、週に何回授業を受けられるのか「授業回数」を確認しておきましょう。
授業回数は多ければ多いほど良いと思われがちですが、そろばんは先取りをするよりもスキルの定着が重要なため、上達への近道は自主練を怠らないことです。
そのため、そろばん1級に合格するカリキュラムがしっかり組まれている教室であれば、週1回でも全く問題ありません。
授業枠(受講できる時間帯)
受講できる時間帯に自由度の少ないそろばん教室に通ってしまうと、他の習い事とスケジュールとかぶってしまうと並行して取り組むことができず、どちらかの習い事を諦めなくてはならなくなります。
将来のことも考慮して、できるだけ授業枠の豊富なそろばん教室を選んでおくことが賢い選択と言えます。
振替制度
体調が悪い。天候が悪い。機嫌が悪い。
子供の習い事で授業を欠席するタイミングは必ず訪れます。
授業を欠席すると1回分の授業料を捨てることになるので、柔軟に振替制度を利用できる教室を選択しておくことが大切です。
公式サイトで「振替あり」と記載されていたとしても安心してはいけません。
実際には「欠席した日の月内に限り1回のみ振替可能」とか「振替できる日時が決められていて早い者勝ちで授業枠が埋まってしまえば振替不可」など、授業の振替には条件が設定されていることがほとんどです。
公式サイトに「振替あり」としか記載されていない場合は、以下のようにお問い合わせフォームで質問を送ってみると良いでしょう。
◯◯そろばん教室
ご担当者様
お世話になっております。
振替制度について質問させてください。
他校では「月内に限り2回まで振替可能」「振替の振替は不可」といった制限がありますが、
◯◯そろばん教室では、どのような制限がありますでしょうか?
詳細を教えて頂ければ幸いです。
以上、よろしくお願い致します。
私が調べた中で素晴らしいなと思った教室は、よみかきそろばんくらぶ で『子供の気分が乗らず集中できていなかった』という理由でも振替可能です。とても生徒に寄り添ったそろばん教室で安心感を感じます。
② 授業スタイル
そろばんを学ぶ方法としては、いくつか方法があります。
スタイル | タイプ | 解説 | 疑問点の解決方法 |
---|---|---|---|
授業形式 | 通塾 | そろばん教室に通って先生の授業を受ける | 授業中に先生に直接聞いて解決できる |
オンライン | オンラインで先生の授業を受ける | ||
独学形式 | 録画授業 | あらかじめ録画された授業映像を視聴して学ぶ | メールで質問 / 回答は後日 |
アプリ教材 | タブレットのアプリ教材で学ぶ |
授業形式
初めてそろばんに触れるお子さんには、講師が丁寧に教えてくれる「授業形式」をおすすめします。
リアルタイムに生徒に向き合って授業を行うため、生徒の表情も見ながらあまり理解していないと判断したら、別の言い回しで伝え直したり、その場でやさしい例題を作って解説したり、臨機応変な対応で授業を進行してくれます。
疑問点もその場で解消できるので、分からないことを後回しにすることなく、毎回気持ちよく授業を終えることができます。
さらに「授業形式」のそろばん教室ならマンツーマンの個別指導や少人数のグループレッスンなど、お子さんが最も成長しやすい環境を選択できることもおすすめのポイントです。
通塾?それとも、オンライン教室?
そろばん教室まで実際に足を運んで先生の授業を受ける「通塾」と、オンラインビデオ会議ツール(Zoom)を使った「オンライン授業」のどちらが良いかは好みが分かれるところです。
教室に通う労力や時間、豊富な授業枠、振替の自由度などから総合的に評価すると「オンライン」の圧勝ではありますが、お子さんが自宅で集中して授業を受けられるかどうかが重要なポイントになります。
そこの見極めは、実際に 評判の良いオンラインそろばん教室の無料体験 を受けてみて決めると良い判断ができるかと思います。
独学形式
そろばんを習いたいけど、時間がない人は「独学」で学ぶという選択肢もあります。
授業の録画動画を視聴して独学する場合は、何度も授業を繰り返し視聴でき、1契約で家族全員で動画を見てそろばんを学べるメリットがあります。
タブレットアプリで独学する場合、おすすめは、ゲーム感覚で楽しく学習できる「そろタッチ」一択になります。iPadがあればどこでも教材を起動できるため、長期の旅行でも毎日のルーティンを崩さずに継続して取り組めます。
また、練習問題では苦手な分野を多めに出題するなど、一人一人にあった学習教材としてパーソナライズしてくれるところもデータを分析できるアプリ教材ならではの利点です。
どちらの独学方法であっても、疑問点をその場ですぐ解決できないデメリットはあります。
その反面、スキマ時間に取り組めるので、通塾やオンラインそろばん教室でもカバーしきれない時間帯(寝る前の30分や早起きした朝の30分など)にサクッと取り組めるメリットは大きいのが特長です。
③ 暗算検定も重要視している
そろばん教室の中には珠算検定の合格だけに特化している教室もあり、暗算に全く取り組まない教室やサブ的に学ぶだけで暗算検定まではフォローしない教室もあります。
個人的にはそろばんが無いと計算できないスキルなど要らないと思っています(辛辣..)
そろばんの珠が頭の中に浮かび「暗算できるスキル」が身についてこその計算力であり、学校の授業や受験、大人になってからのアドバンテージとなるのはそろばん学習を通じて身に付く「暗算力」だと考えています。
そろばんと並行して暗算を学べない教室は選定から除外すべきです。
④ 珠算競技大会の参加に積極的
そろばんは個人戦のようなもので、教室に切磋琢磨できる環境がないとモチベーションを持続できずにマンネリ化してしまいます。(うちの子もそうでした)
モチベーションアップのために私が効果的だと感じたことは、珠算競技大会などのイベントに積極的に参加することです。
うちの子が習っているそろばん教室では、毎年大会が開催され、限られた生徒のみが参加できます。
出場メンバーに選ばれるだけでも名誉ですが、学年別の競技やそろばん教室の地域対抗戦もあり、丸一日かけた白熱した戦いが繰り広げられます。
そろばんがある程度上達すると、お調子者はすぐ天狗になります。(←我が子です)
大会に参加することで「上には上がいる」ことを肌で感じ、それがモチベーションにつながっています。
うちの子も毎年入賞をしてトロフィーを持ち帰っていますが、優勝や準優勝などの上位争いには食い込むことができず、「くっそー!」と悔しがっており、大会に参加することが良い刺激になっています。
大会に参加しないそろばん教室はダメだとは言いませんが、上記のような経験上、珠算競技大会に積極的に参加する教室を選ぶことをおすすめします。
またもう1つの理由としては、大会に出るということは教室の看板を背負って出るわけですから自分の教え子が不甲斐ない結果で終わるわけにはいかないのです。検定合格は一定レベルの点数以上を取れば良いのでゴールが明確です。
しかし、大会となると相手より1点でも早く正確に答えを出す必要があります。
つまり、大会に積極的に参戦する教室は、どうすれば生徒たちが1点でも多く正しい回答ができ、優勝できるかを日々考えており、指導方法が日々改良が重ねられていることになるのです。
ちなみに、そろばん式暗算特化アプリの「そろタッチ」は独学形式でありながら様々な工夫がされていて、世界中のそろタッチ生徒とオンラインで競うフェスティバル「そろフェス」が毎年開催されており、その様子も公式サイトで公開されています。
全国ではなく、世界戦というのがモチベーションが上がりますね!
⑤ 教材に独自性や創意工夫がある
市販の教材は、全国的な基準に基づいて作られており、検定試験などの目標を達成する上で非常に信頼性があります。多くの教室で使用され、効果が実証されているため、安定した学習成果を期待できます。
そのため、市販教材を使うそろばん教室が独自開発の教材を使うそろばん教室よりも劣っているわけではありません。
ただし、教材を独自開発し、積極的にブラッシュアップを重ねている「よみかきそろばんくらぶ」や「いしど式オンライン」のような教室には、指導の熱意と創意工夫が感じられます。
生徒の個別の学習ペースに対応した内容や、幼児が楽しく学べる工夫が盛り込まれているなど、細やかな配慮が行き届いた独自の教材を開発する教室には生徒一人ひとりの成長を大切にする姿勢があります。
⑥ 費用が妥当
全国のそろばん教室の月謝の相場には、日本珠算連盟が以下のように記載しています。
授業回数や地域によって異なりますが、月謝は4,000円から12,000円くらいのようです。
料金に幅があるのは、教材費や冷暖房費などの設備費を月謝に含める教室もあれば、月謝とは別項目として請求する教室もあるためです。
また、地域によっても料金は差が出ます。
個人的には大きくかけ離れた料金体系でなければ、月謝で教室の取捨選択はせず、教え方や実績、子供と先生の相性を優先して決める事をおすすめします。
いくら月謝が安くても、教え方が悪くて、そろばんの習得や検定合格まで遠回りしたのでは時間の無駄ですからね。
⑦ 無料体験できる
授業を無料体験できない教室は避けましょう。
たまに授業はしてくれず、保護者向けの「無料説明会」のみという教室があります。
私としてはそういった姿勢で、子供としっかり向き合った指導をしてくれるのか疑問をいだいてしまいます。
一般的に無料体験は1回限りの教室がほとんどですが、子どもの教え方が上手いと評判の良い よみかきそろばんくらぶ では、納得できるまで何度でも無料体験を受けることができます。
他校と比較検討後、最後の最後で迷ったときは、もう一度「無料体験」をお願いしてみましょう。
無料体験でのチェックポイント
① 教育理念
そろばん教室を選ぶときは、無料体験のときに先生と直接話をして、教室の考え方や教え方を確かめることが大切です。
そろばん教室は教室ごとに教育の考え方(教育理念)や教え方(指導理念)が違います。
例えば、そろばんを通じて礼儀や集中力を育てる教室」「楽しく学びながら成長させる教室」「反復練習の鬼」「大会に積極的に参戦し、健全な競争心を養う教室」「小さな目標を設定し、成功体験を積み重ねることで計画性と自己肯定感を高める教室」「検定合格に特化した教室」などなど、実に様々な方針があります。
どれが正解かという答えはなく、お子さんやご家庭の希望に合うかどうかが重要なポイントです。
無料体験では、授業を見たり、先生に直接質問できるため、教室の方針や考えをしっかり聞ける絶好のチャンスです
講師から保護者に対してきっちりと説明ができる教室は、教育理念・指導方法がまとまっている証拠です。逆に回答があやふやな場合は理念があったとしても講師が理解できていないため、担当講師によって違いが出てくる可能性が高く、注意が必要です。
② 講師(子供との相性、段位、指導方法や情熱)
③ 生徒に段位取得者が在籍している
そろばん教室を選ぶ際には、教室の実力を示す一つの指標として、生徒が取得している珠算や暗算の段位に注目してみましょう。
例えば、教室に在籍する生徒の多くが高い段位を取っている場合、その教室は質の高い指導を提供していると考えられます。
特に段を取得している生徒がいる教室は、優れた学習環境が整っている可能性が高いでしょう。
一方で、3級程度で多くの生徒が退会してしまう教室や、最高位が1級という教室には「講師の指導法」に少し不安が残ります。
教室選びにおいて重要なのは、指導者が生徒一人ひとりの能力やペースに合わせて柔軟に対応できるかどうかです。環境の整った良い指導者がいる教室では、生徒は自然と高い段位を目指せます。
公式サイトや資料では誇大広告や情報が古い場合があるため、無料体験時に「現役の生徒の実績」について直接聞くようにしましょう。